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同盟関係と国際機関の価値に目を向けよ
―― 大国間競争で勝利を収めるには

ベン・ステイル 米外交問題評議会シニアフェロー(国際経済担当)

How to Win a Great-Power Competition Alliance, Aid, and Diplomacy in the Last Struggle for Global Influence

Benn Steil 米外交問題評議会シニアフェロー(国際経済担当)

2018年4月号掲載論文

冷戦初期同様に現在のアメリカは大国間競争の時代に足を踏み入れている。しかし、アメリカファーストを掲げるトランプ政権は、冷戦における勝利を西側にもたらした同盟関係や国際機関を基盤とする秩序に背を向けてしまっている。戦後戦略の中枢は「ヨーロッパとアジアで、権威主義の誘惑と脅威に対抗する力をもつ強固な民主的な同盟関係を築くことだった」。当時のアメリカは、そうすることで、軍事力に過度に依存せずに、自国の経済・安全保障利益を守れるようになると考えた。トランプ政権が大国間競争の時代の幕開けを宣言したタイミングで、アメリカが冷戦という大国間競争に勝利を収めるのを助けたツールを大統領が放棄し、その価値を否定しようとしているのは大きな皮肉としか言いようがない。

  • 大国間競争再考
  • 頑迷なリアリスト
  • 平和の代償
  • 同盟関係のメリット

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